『ライオンの皮をかぶったロバ』の解説
この物語は、イソップ物語(寓話)に収録されている物語の1つ。イソップ物語は、古代ギリシャ人のアイソーポス(イソップ)が集めた寓話とされているが、古代メソポタミアや歴史を通じて様々な寓話・物語が加筆修正され、現在の形になったものとされている。
現在に伝わる物語話は、15世紀頃からキリスト教的価値観を盛り込まれた寓話・説話として語り継がれてきたものが元になっており、いくつもの版を経て世界各国に広まっている。ギリシャ語の原典があったかは不明だが、古代ギリシャ語やラテン語などによって後世に編集された。
『ライオンの皮をかぶったロバ』の全文
ある時、ロバがライオンの皮を見つけました。それは猟師が日なたで干しているものでした。
ロバはその皮をかぶって自分の村の方へ帰っていきました。ロバが近づくと人間も動物もみな怖がって逃げていきました。ロバは得意げに歩き回り、喜びのあまり声を上げていななきました。
しかしその声でみんなはそのライオンが誰かということが分かりました。
ロバの飼い主がやってきて、みんなを脅かした罰でロバをこん棒で叩きのめしました。
そしてその後間もなくキツネがやってきて言いました。「ああ、声で君だと分かったよ」。
立派なかぶりもので見た目をごまかしても、言葉を発してしまえば愚か者だということがばれる、というお話。