ルンペルシュチルツヒェン

『ルンペルシュチルツヒェン』の解説

  • タイトルルンペルシュチルツヒェン
  • 著作者グリム兄弟
  • 書籍名ルンペルシュチルツヒェン
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 言語不明
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
  • 『ルンペルシュチルツヒェン』の全文

    あるところにとても貧しい粉挽き屋がきれいな娘と暮らしていました。そんなある日、その粉挽き屋の男に王様と話す機会が訪れたのです。男は王様になんとか気に入られようとこんなことを言ってしまいます。

    「私には藁を金に変える事の出来る娘がございます。」

    これを聞いた王様は「それは見てみたいものだ。もしお前の言うことが本当なら、明日その娘を王宮まで連れてくるがよい。私がこの目で確かめてみよう。」と言いました。

    それから、その娘が王様のもとに運ばれた時、王様は娘を藁いっぱいの部屋に連れて行き、紡ぎ車と巻き糸を渡し、こう言いました。「さあ、準備は整った。もし明日の早朝までにこの藁を金に変える事が出来なければ、お前は死刑だ。」

    それから王様は自らその部屋に鍵をかけ、娘に一人なるように閉じ込めたのです。なんてかわいそうな貧しい粉挽き屋の娘なのでしょう。彼女はどうやって藁を金に変えればいいか分からず、考えれば考えるほどみじめな気持ちになってきてしまいました。そして涙が止まらなくなってしまったのです。

    そんな時、閉じられていたドアが突然開いたのです。そこには小さい男が現れ、こう言いました。

    「こんばんは、粉挽き屋の娘さん。何をそんなに泣いているんだい?」

    娘は「ああ、私、この藁を金に変えなければいけないのだけれど、どうすればいいのか分からないの。」と答えました。するとその男は「もし私が君の代わりにそれを金に変えてあげようと言えば、君は私に何を報酬としてくれるんだい?」と言いました。

    「私のネックレスをあげるわ。」と娘は言いました。それからその小さい男は娘のネックレスを取り、紡ぎ車の前に座り、ぶんぶんぶんと3回回すと、巻き糸はいっぱいになってしまいました。それから彼は別の巻き糸をぶんぶんぶんと3回回すと、またいっぱいになりました。そんなことが朝まで続き、全部の巻き糸は巻かれ、すべての藁は金になっていたのです。

    夜明けになると王様がやってきました。王様は金をみるやいなや、驚き感動し、そしてもっと欲深くなったのでした。王様は粉挽き屋の娘をまた別の部屋に連れて行きました。そこにはもっとたくさんの藁があり、もし娘が生きたければ、その藁を一晩で金に変えるように命じたのでした。また彼女はどうしていいか分からず、泣いてしまいました。

    そんな時またドアが開き、小さい男がまた現れたのです。男は「もし私が藁を金に変えたら、君はなにをくれるんだい?」と聞きました。

    娘は「私がつけている指輪をあげる」と言いました。男はその指輪を取り、また紡ぎ車を回し始めたのです。次の日の朝までには男はすべての藁をキラキラ輝く金に変えてしまったのでした。王様は一見とても喜んだように見えましたが、彼はまだ金を欲しがったのです。

    彼は娘をまたもっと広い部屋に連れて行くと、こう言いました。「またここにあるすべての藁を一晩で金に変えよ。もしそれが出来たら、お前を私の妻にしよう。」

    王様は、この娘は粉挽き屋の娘だが、これ以上金持ちの娘はいない、と考えていたのです。娘が一人になると、また小さい男が現れこう聞きました。

    「また私が君を助けると、何をくれるんだい?」

    娘は「もう何もあげられるものがないの」と答えました。

    すると男は「じゃこうしよう、君が女王になったら、君の最初の子供がほしい。』と言いました。娘は、そんなことが本当に起きるだろうか、と思い、またこの状況でどうすることも出来ず、この約束を受け入れたのです。そして男はまた藁を金に変え始めたのでした。それから王様が朝、部屋に来ると望んでいた金がそこにあったのです。彼はすぐに娘と結婚し、かわいい粉挽き屋の娘は女王様になったのでした。

    一年後、娘はそれはそれはとてもきれいな子供を産んだのでした。ただ、彼女は小さい男と交わした約束の事をすっかり忘れてしまっていたのでした。しかし突然、男は娘の部屋に現れ、こう言いました。「さあ、約束したものをいただこうかな。」

    怖がった女王様は、この王国にあるすべての宝物をあげるから彼女の子供を置いていってほしいとお願いしました。

    しかし、男は「いや、私は生きているものの方が、世界中の宝よりもいい。」と言いました。すると、女王様は泣き始めたので、男は彼女をかわいそうに思いました。そして「3日以内に、もし私の名前を当てる事が出来れば、子供をあきらめよう。」と男は言いました。女王様は一晩中これまで聞いた事のある名前を考えていました。そして国中に他にも名前がないか聞いてみたのです。

    次の日男が来た時、女王はキャスパー、メルヒオール、やバルサザーなど知っている名前すべて、一つ一つ挙げていきました。しかし、そのすべてに男は「それは私の名前じゃない。」と言ったのでした。

    二日目、女王様は近隣の国にまで使いの者を出し名前を聞いてみたのでした。そして彼女は珍しい、変わった名前を言っていったのでした。「もしかしてショートリブかシープハンクスかレースレッグ?」

    しかし男はいつものように「それは私の名前じゃない」と言うばかりでした。三日目、使いの者がまた帰ってきて、こう言いました。

    「新しい名前は見つけなかったのですが、私が森の終わりにある霧があり、野うさぎがいる山に上ったら、そこで小さい家を見つけたのです。その家の前には火が燃えていて、その火の周りには小さいおかしい男が飛び回っていたのです。

    男は片方の足でけんけんしながら言いました。「今日は焼いて、明日は醸造する。そして次の日、俺は若い女王様の子供をもらうのだ。よかった!わたしのことを誰も知らなくて。このルンペルシュチルツヒェンをな!」

    これを聞いた女王様はそれはそれは喜んだ!

    そして小さい男が現れ、こう聞いてきた。

    「さあ、女王様、私の名前はなんだい?」

    最初、女王様は「あなたの名前は、コンラッド?それともヘンリー?」と聞きましたが、男は「違う。」と言いました。

    「もしかしてルンペルシュチルツヒェン?」

    「悪魔がそれを教えたんだ!悪魔がそれを教えたんだ!」と言って、小さい男は泣きました。

    そして怒りのあまり、右足を深く地球に突き刺し、彼の右足はまるまる地面に入ってしまいました。そして左足を怒りにまかせひっぱると、自分自身を真っ二つに引き裂いてしまったのでした。

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