青い服の列

『青い服の列』の解説

  • タイトル青い服の列
  • 著作者西村 陽吉
  • 書籍名日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
  • 出版社新日本出版社
  • 出版年1987年5月25月
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 言語新字新仮名
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
  • 初出「生活と芸術」1915(大正4)年12月号
  • 『青い服の列』の全文

    青い服の長い列、

    みんな揃って青い服、

    ひょろひょろとした、

    せいのひくい、

    営養不良の、

    顔まで青い長い列。

    みんな同じようなゲートルをまいて、

    手に手に日の丸の小旗をもって、

    生徒のような帽子をかぶって、

    どれもこれも、

    鉱毒と過労にひきつったような顔。

    時間にして一時間以上、

    長さにして一里以上、

    数にして一万以上、

    砲兵工廠から二重橋まで

    うねうねと蟻の列のように。

    それがみんな人間だ、

    しかも髯をはやした立派な人間だ。

    青い服を着た職工――

    人間の器械だ。

    花の日の酔うような街中を、

    小旗をふりながら謳ってゆく、

    なんと言って謳ってゆく、

    見たことも、嘗めたこともない、

    「黒酒白酒をとりもちて――」……。

    (花の日所見)

    (『生活と芸術』一九一五年十二月号に発表)

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