はつかねずみと小鳥と腸づめの話

『はつかねずみと小鳥と腸づめの話』の解説

  • タイトルはつかねずみと小鳥と腸づめの話
  • 著作者グリム兄弟
  • 書籍名はつかねずみと小鳥と腸づめの話
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 言語不明
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
  • 『はつかねずみと小鳥と腸づめの話』の全文

    昔ある時、はつかねずみと小鳥と腸づめが協定を組みました。彼らは共に暮らし、長らくの間、平和で豊かな生活を送っていました。そんな彼らの生活は役割分担の上に成り立っていて、小鳥は毎日森へ薪を取りに行きました。はつかねずみは水を汲み、火を起こし、食卓を準備しました。そして、腸づめは料理を作りました。

    さて、あまりにも物事が順調に進んでいると、目新しいことがしてみたくなるものです。

    ある日、小鳥は偶然、別の小鳥に出会いました。その別の小鳥は、自分の生活を自慢し、それに比べていかに小鳥が損をしているかを非難してきました。その行きずりの小鳥によれば、はつかねずみは水を汲み、火さえ起こせば、
    食事の時間までゆっくり休むことができると言うのです。腸づめに至っては、鍋の側で料理が煮え立つのを見ているだけでいいと言うのです。

    そして、出来上がる頃に、彼女自身が粥や野菜の間に身を滑らせるだけで、味付けは完成され、彼女の仕事は終わる。その間、小鳥は、彼らが必要な重い薪を森から持ってくる。小鳥が帰ってきたら、三人で食卓を囲み、朝までぐっすり眠る。とんだいい生活をしているものだ、と皮肉めいて行きずりの小鳥は言うのです。

    翌日、行きずりの小鳥に触発された小鳥は、森に行くことを拒否しました。もう彼らの言いなりにはならない、騙されない。そう伝え、代わりに仕事を交換するべきだと提案しました。はつかねずみと腸づめは反対したけれど、小鳥が三人のリーダーだったため、彼らは仕事を交換することになりました。

    そして腸づめは薪を取りに、はつかねずみは料理を、そして小鳥は水汲みと火起こしにとりかかりました。

    そんな彼らの運命はどうだったのでしょう。小鳥は火を起こし、はつかねずみは鍋を用意し、薪と共に戻るはずの腸づめを待ちましたが、腸づめはなかなか帰って来ませんでした。心配になった小鳥は森へ一飛びしたところ、そう遠くないところで犬に出会いました。

    なんとその犬は、かっこうの獲物として、腸づめのことを食べていたのです。小鳥は、自分のものでもない腸づめを襲い、食べるなんて厚かましいと犬を責めました。ところば犬は、腸づめには偽造の文字があり、そのため腸づめの命は奪ってもよかったのだと言い張るのです。

    悲しみに暮れた小鳥は、自分で薪を家まで持ち帰り、はつかねずみに起こったことの一部始終を話しました。二人はとても悲しみましたが、二人で強く頑張っていくことを決めたのです。そう決めたはつかねずみは、小鳥が食卓の準備をしている隙に、腸づめがいつもしていたように、鍋に飛び込み、その身を粥や野菜の間に滑らせようとしました。

    ところが、真ん中に行きつく間もなく、はつかねずみは毛も皮も命を落としてしまったのです。小鳥が食事を求めてやってきたとき、そこには料理人のはつかねずみはもういませんでした。慌てた小鳥は、木をあちこちに投げ、はつかねずみを呼び、そこら中を探し回りましたが、料理人は一向に見つからないのです。

    そうこうしているうちに、慌てた小鳥が投げた木の一つに火がつき、三人の家は大火事に見舞われてしまいます。小鳥は急いで水を汲みにいったものの、桶が井戸に落ちてしまい、小鳥もつられて落ちて、そこで溺れ死んでしまいました。

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