経帷子(きょうかたびら)

『経帷子(きょうかたびら)』の解説

  • タイトル経帷子(きょうかたびら)
  • 著作者グリム兄弟
  • 書籍名経帷子(きょうかたびら)
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 言語不明
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
  • 『経帷子(きょうかたびら)』の全文

    ある所に7歳の少年とその母が暮らしていた。少年はとても魅力的で誰もが彼を気に入った。少年の母は彼をこの上なく大切にしていた。しかし病が突然少年を襲い、彼は天国へと旅立ってしまった。母はこのショックから立ち直れず昼夜を問わず泣き続けた。

    ところが埋葬が終わってからまもなくした頃、少年はかつて母といた場所に現れたのである。母が泣いているのを見た少年は涙をこぼし、そして夜が明ける頃には消えていった。

    来る日も来る日も母は泣き止まなかったので、少年はある晩母の目の前に現れた。棺の中で着ていた白い経帷子に身を包み、花輪をかぶった少年は母のベッドに乗り足元に立つとこう言った。

    「母さん、泣かないで。泣きやまないと眠れないんだよ。母さんの涙で僕の経帷子が濡れちゃって乾かないんだ。」

    母はそれはいけないと思って泣くのをやめた。次の晩、少年が再び現れると彼は母にこう言った。

    「見てよ母さん。経帷子がだいぶ乾いたよ。これでよく眠れるよ。」

    母は神様の慰めを受けながら泣くのをこらえた。静かに、そして我慢強く。すると少年は母の元に現れなくなり、その地中の小さな棺の中でぐっすりと眠るようになった。

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