ピエロと農夫と豚

『ピエロと農夫と豚』の解説

  • タイトルピエロと農夫と豚
  • 著作者イソップ(アイソーポス)
  • 書籍名ピエロと農夫と豚
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 言語不明
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
  • 『ピエロと農夫と豚』の全文

    根拠のない偏見で、人々はしばしば間違いを犯します。 後に真実が彼らの選択を後悔するように強いるまで、誤ってなされた判断を支持します。

    公共の娯楽を支援しようとしていた著名で裕福な市民がおりました。彼は上演できる斬新な出し物がある人を招待し、賃金を支払うと約束しました。プロのパフォーマーは民衆の賞賛を得ようと競うためにやって来て、その中には洗練されたユーモアのセンスで有名なピエロも名を連ねていました。

    ピエロはまだどの劇場でも披露したことのない見世物があると言い、その噂は街中に広がり民衆の興味を引きました。最近空になっていた劇場の座席も集まったきた観客には足りないなほどでした。ピエロが装備も助手も無しでステージに出てくると、期待感は観客を黙らせました。

    するとピエロは突然頭を胸の方へ下ろし、小さな豚の鳴きまねをしました。音があまりにも生きている豚そのものでしたので、観客は本当に小さな豚が彼の外套の下に隠されているに違いないと主張し、その外套を振ってみせるよう要求しました。

    しかし外套が振られるとそれは空である事が証明されたので、観客はピエロに惜しみない賞賛を送り、ピエロは拍手を受けつつ退場しました。

    田舎の農夫はこれを見て、「なんだい。俺はもっとうまく出来るぞ!」と言い、次の日に同じことをもっとうまくやって見せると直ちに約束しました。

    観客はさらに増え、偏見は既に彼らの認識を傾かせていました。観客は演技を見るためというよりも、あざけるために来ていたのは明白でした。

    ピエロが前日のように豚の鳴き声をあげると、観客の拍手と賛美の叫び声が響きました。今度は、衣服の下に小さな豚を隠しているふりをした田舎の農夫の番です。

    観客はピエロの演技で外套の下に何も見つける事は出来ませんでしたが、今回は本当に隠されている豚がいました。その男は服の中に隠している本物の豚の耳を引っ張って、痛みを訴える鳴き声を挙げさせました。観客はピエロの方がはるかに本物らしい演技をしたと叫び、田舎の農夫をステージから降ろす準備は既に整っていました。

    しかしその後、ピエロが本物の豚を彼の外套の中から出して観客に見せ、議論の余地のないその証拠で彼らの酷い間違いを非難しました。

    「はいどうぞ!」彼は言いました。

    「この小さな豚は、あなたがどんな裁判官であるかを証明しています!」

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