オレンジの種5つ

『オレンジの種5つ』の解説

  • タイトルオレンジの種5つ
  • 著作者アーサー・コナン・ドイル
  • 書籍名オレンジの種5つ
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 言語不明
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
  • 『オレンジの種5つ』の全文

    1882年から90年のあいだにシャーロック・ホームズが担当した事件のメモや記録にざっと目を通してみれば、奇妙で興味深い事件ばかりでどれを取り上げるべきか非常に迷ってしまう。しかし、新聞ですでに広く報道されているものもあれば、私の友人のたぐい稀なる能力を使うまでもない事件で新聞には出ていないものもある。彼の分析能力をもってしても悩ませられ解決に至っていなく、事件簿として、始まりはあるが終わりのない不完全な事件もある。部分的な解明にとどまり、ホームズがとても重視している完全な理論的証明ではなく、憶測や推察に頼らざるをえないものもある。しかし、様々な事件のなかで、今後もきっと解明されることがないにもかかわらず、事件の詳細が異例かつ、驚きの結果を迎えたので、そのいきさつを話したいと思う事件がひとつある。

    87年は、興味深いもの、そうでないもの、いずれにせよ事件が連続した年だった。12か月の間に、パラドール・チェンバーの事件、家具屋の倉庫の地下で豪華なクラブを開いていたアマチュア物乞い団、イギリスのバーク型帆船ソフィー・アンダーソン号の失踪に関連した事件、ウッファ島のグライス・パターソン事件、そして最後にカンバーウェル毒殺事件があった。最後の事件では、ホームズが被害者の時計のねじを巻きあげたことで、その時計が2時間前に巻き上げられたことがわかり、被害者が2時間以内にベッドに入ったことがわかった。事件を解決するうえで最も重要な推理だった。これら全ての事件のあらましをいつか書くかもしれないが、いずれの事件も、不可解な出来事が続くという点で、これから私が書こうとしている事件に勝るものはないだろう。

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