ライオンとゾウ(Alba, H.A.)

『ライオンとゾウ(Alba, H.A.)』の全文

ライオンはプロメテウスに創造された自分自身の粗探しを度々していました。プロメテウスは彼の顎には鋭い牙を、彼の四肢には力強い爪を与えて、誰もが認めるほどにとても大きくそして凛々しくつくりました。つまり、ライオンをどの動物よりも強くしたわけです。「確かに私は強いかもしれない。けれでもおんどりがとても苦手なんだ!」

「私を非難して一体何になるというのだ」とプロメテウスは言いました。「私は可能な限り君を強くしたのだ。そしておんどりを除けば、君が恐れるものなど何もないのだ」。それでもなおライオンは自分の短所を嘆き続け、自らを臆病者だと罵り、とうとう死にたいと願うようになりました。

このように考えていたところに、ライオンはゾウと出くわしました。ゾウにあいさつをすると、ライオンはゾウと話すために立ち止まりました。ゾウが耳をパタパタさせているのを見たライオンは「そんな風に耳をはためかせてどうしたんだい?」と尋ねました。丁度そのときブユがブーンと飛んで来て、「この小さいブンブン飛んでいるものが見えるかい? これが耳の中に入ると本当にどうしようもないんだよ」とゾウは答えました。このことを聞いて、「なぜこんな恥ずかしさのためだけにわざわざ死ななければいけないのか。私はそれはもう本当に素晴らしい生き物で、ゾウよりもはるかに強い。何よりブユなんかよりも、おんどりのほうがよっぽど手に負えないじゃないか」とライオンは考えました。

ゾウを困らせるほどのブユの強さも、聡明な諸君ならお分かりになるはずです。

『ライオンとゾウ(Alba, H.A.)』の解説

  • タイトルライオンとゾウ(Alba, H.A.)
  • 書籍名ライオンとゾウ(Alba, H.A.)
  • 著作者イソップ(アイソーポス)
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
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