舌平目

『舌平目』の全文

魚たちは長い間不満をつのらせていた。なぜならば魚たちの国は秩序が乱れていたのだ。誰一人他の人のために道を開ける者はおらず、皆が思うがままに右へ左へと泳いだ。

2人で一緒にいようとする人たちの間を突き抜けたり、行く手を阻んだりした。

そして強い者がしっぽをつかって弱い者を追い払っていた。弱い者は逃げ、中には飲み込まれる者もいた。法と正義で取り締まってくれる王様がいればどんなに喜ばしいことか、と魚たちは言った。

魚たちは会合して支配者を決めることにした。水の中を最も速く駆け抜け、弱い者を助けてくれるような人を。

魚たちは海岸沿いに一列に並んだ。そしてカワカマスが尻尾で合図を送り皆が一斉に泳ぎだした。カワカマスは矢のように駆け抜け、ニシン、タイナリクスナモグリ、パーチ、コイ、残りの者達がそれに続いた。舌平目でさえそれに続き、勝利を目指した。

一斉に叫び声が聞こえた。「ニシンが一番だ!」

すると嫉妬深い舌平目は、怒って叫んだ。「誰が一番だって!?」

舌平目はかなり後ろの方に取り残されていた。「ニシンが一番だよ!」という返事が聞こえたので、舌平目は恨めしそうに泣き叫んだ。「あの裸のニシンがだって!?」

カレイは天罰を受け、それ以来口を片側につけられることになったのである。

『舌平目』の解説

  • タイトル舌平目
  • 書籍名舌平目
  • 著作者グリム兄弟
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
  • 更新日
  • 投稿日