甘いお粥

『甘いお粥』の解説

  • タイトル甘いお粥
  • 著作者グリム兄弟
  • 書籍名甘いお粥
  • 制作年?
  • 製作国不明
  • 言語不明
  • 著作権状態パブリック・ドメイン
  • 『甘いお粥』の全文

    ある所に母と暮らす一人の善良な少女がいた。彼女はとても貧しく、食べるものはもはや何もなかった。

    少女が食料を探すため森へと入っていくと、そこには老婆が立っていた。少女の悲しげな様子に気づいた老婆は少女に小さな壺を渡した。

    それに向かって「壺よ、作っておくれ」と言うとなんと壺から甘くておいしいお粥が出てきたのである。そして「壺よ、おやめ」と言うとお粥は出なくなった。

    少女は壺を母の元へ持ち帰った。お腹が空いたときにいつでも甘いお粥を食べれるようになり、二人は貧しさや空腹から救われたのである。

    ある日少女が出かけているとき、少女の母は言った。「壺よ、作っておくれ」。すると壺はちゃんと甘いお粥を作り、彼女は心ゆくまでそれを食べた。

    しばらくして彼女は作るのをやめさせようと思った。しかし彼女は壺を止める合言葉を知らなかったのである。案の定壺はお粥を作り続けた。そしてついにお粥は壺から溢れ出し、キッチンが、そして家全体がお粥で満たされてしまった。

    さらに隣家までも巻き込んだお粥は道路へと溢れ出し、まるで世界を飲みこもうとしているかのようだった。

    皆が救いを求めたが、誰も合言葉は知らなかった。

    最後の家が飲み込まれようとしていたとき、ついに少女が帰ってきたのである。少女が「壺よ、おやめ」と言うとみるみるうちにお粥の勢いは止まっていった。

    その後町へ帰ろうとした人々は、行く手を阻むお粥を食べていかなければとても帰ることはできなかった。

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